凰建設の森です。
本日は、法事などなど、
一昨年亡くなった祖父の。
その他にも家族の用事が
重なっておりまして、
結局仕事はお休み的な。
ただ、新規のご来場の
予約メール等々が入って
来ておりますので、
連絡のやり取り程度の
事をやったという感じです。
さて、本日の話題は、
窓の温度調整機能を
どの程度使うかというお話。
窓に温度調整機能が?
と思われる方もいるかもですが、
冷房が無かった時代には、
窓は非常に優秀な、、、、
というよりも窓で温度調整を
するしかなかったんですね。
暑くなれば開けて風を通す。
寒くなれば日射を取り入れる。
雨戸を開け閉めして日照の
コントロールをするなど、
窓を上手く使いこなすことが
不快感を取り除く事に
大きく寄与していました。
そして現代になりますと、
便利な冷房や暖房が登場し、
窓がなくとも不快感の無い
環境を作ることが出来るように
なってきたわけですね。
こちらの動画の家は、
日射取得はほぼできない
という敷地条件の家です。
↓ ↓
%url1%{https://youtu.be/yUtW21ULczg?si=UhfEU6fXhPW6Arcn}
今年の3月中頃に引越しを
していただきましたが、
日射に頼らずエアコンで
暖房をしていますので、
大きな室温変動のない
安定した温度を作ることが
可能になります。
お引越しされた直後ですが、
温度湿度はこんな感じで推移
↓ ↓
%url2%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2024/09/dbf01c2df563cc2363b2a1a7a69f73f1.png}
日射取得がよくできている家だと
暖房を切った状態ですけども
↓ ↓
%url3%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2024/09/eeefd7167d50fd9300e0d5c8882dcd95.png}
同じ時期で比べてみると、
違いが見えてきますね。
さて、窓を有効活用して
暖かさや涼しさを作るのと、
窓に頼らずに暖かさや涼しさを
作るのと、どちらがいいんだろう。
まずは暖かさを考えてみます。
日射取得を窓で行うのは、
今も昔も暖かさを得るためには
最も簡単な方法になります。
晴天の日中、カーテンを
開けておき、たっぷりの日射を。
ん?カーテンを開けて?
はい、実際に住んでみると、
ここで引っかかるという人は多い。
例え、しっかりした目隠しの
塀などがあったとしても、
日中の不在時に泥棒などが
下見に来たりして中を
見られたりするかもしれない。
やっぱりカーテンは閉めておきたい。
となると、日射取得率は、
カーテンの分、下がります。
レースカーテンの日射遮蔽率は
約24%になります。
例えば佐藤の窓などでもおなじみ、
ECLAZの日射取得率は
45%~60%程度あります。
(ガラス構成によります)
国産樹脂トリプル窓の
日射取得率は30~45%程度。
佐藤の窓を使っても、
レースカーテンを閉めてしまえば
日射取得率は国産樹脂トリプル窓と
同等まで落ちてしまいます。
国産樹脂トリプル窓で
レースカーテンを閉めたとすると、
日射取得は更に減ってしまいます。
となると、思ったように
日射取得が出来ないから、
温度が上がらないなぁ
みたいな事も起きてきます。
南の採光面積が10m2程度
あるパッシブな設計で、
冬季に500W/m2の日射が
当たると、取得率30%で
1500Wの熱が入ります。
取得率60%なら3000W。
随分と変わってくるんですね。
6地域で高性能な家であれば、
3000Wの熱で無暖房達成という
計画はそんなに難しくはない。
窓の日射取得による暖房計画は
そんな感じで行いますが、
気候や敷地条件、暮らし方により、
それが有効な場合もあれば、
そうじゃない場合もある。
弊社の場合、日射取得ができる
土地なのか、そして日射取得の
出来る暮らし方を住まい手が
望んでいるのかどうかにより
使い分けをしております。
日射取得による暖かさ調整は、
敷地条件によっては全くできない
という事もありますので、
私個人的には、やれる敷地なら、
やった方がいいのになぁ
とは思いますけども。
あと、オーバーヒートをどうするか
という点についても聞かれることが。
3000Wで十分な所、4000Wの
日射取得があればその分家の
温度は上がってしまいます。
熱容量等々にもよりますが、
冬場に30℃近い温度を作ることも
可能になっていきます。
↓ ↓
%url4%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2024/09/abb32aab8414aad70d8d2a629112432e.png}
冬至前後はこんな感じに。
外13.3℃で中28.8℃。
これ、不快だと思います?
こちらのデータの住まい手さんは
その前の年も同じような感じで
お過ごしいただいております。
もし、不快だと思っているなら
冬に日射遮蔽をするはずです。
出来るようにしてあるんですから。
でも、あえて29℃を作っている。
それが気持ち良い体験に変わる
という事を知っているからですね。
オーバーヒートが不快だと
思っている人が居ますが、
外気温が20℃近い時に、
家の中をオーバーヒートさせると
平均で暑い寄りの環境に
なってしまう為、不快です。
10月とか11月は、まだまだ
日射遮蔽の季節だと言っても
良いかもしれませんが、
12月1月に起きるオーバーヒートは
岐阜の場合は不快ではありません。
12月でも日中の気温が20℃
近くまで行く地域だと、
不快感を感じてしまうかもですが。
厳寒期のオーバーヒートは
体験してみないと分からない。
冬にサウナでしっかり汗を
かいた後に露天風呂の椅子に
腰かけて涼む感覚です。
不快感を取り除くのではなく、
積極的に快感を得に行くものが
オーバーヒートになります。
むしろ快感を覚えない環境で
起きるものをオーバーヒートと
表現することが間違いなのかもしれません。
サウナ好きの人であれば、
オーバーヒートは是非
狙ってみてもいいと思います。
オーバーヒートを狙える
敷地条件の人の方が
少ないんですから。
じゃあ、夏は?
という事ですが、
今の地球環境だと夏は
冷房一択になりますので、
中間期の涼を得るために
窓を使う話をしたいと思います。
先ほどのオーバーヒートの
事例のような、外13℃中28℃
ではなく、中が26℃外が18℃
みたいなゆるい温度差の時には
中の温度上昇を防ぐために、
通風というのが非常に有効です。
暑さ寒さも彼岸までと言いますが、
岐阜でも例年、秋分の日を
過ぎると、最低気温が20℃を
下回る日が出てき始めます。
2023年の場合は、9/24の04:00に
19.9℃73%を記録してます。
26℃60%の室内に20℃75%の
外気が縦50cm横75cmの窓を
通して風速1.0m/sで入ってくると
4.0kWのエアコンを動かすのと
同じだけの冷却効果が見込める。
窓開けによる温度調整は
中間期にこそやってほしい。
空調講座では、少なくとも、
自分の地域の1年分の気象データを
もっておき、どんな季節に
どんな外部環境になるのかを
把握しておきましょうと伝えます。
窓開けを上手くコントロールして
涼を得られる家にしておくことは、
普段の中間期のみならず、
ライフラインの途絶えた夏の
災害時にも役に立ちます。
高断熱住宅だと、窓はもういらない
という人もおられますが、
非常時の為にも、涼を得るための
工夫はしておいた方が良いかと。
最後に夏の話を。
夏に関して言えば、エアコンさえあれば
窓は邪魔者みたいなものです。
とにかく日射が入らないように
外から塞いで塞いで。
なので、冬季に日射取得を
するために有効な窓、
中間期に涼を得るために必要な窓、
年中通して良い景色を切り取るための窓
など、必要な窓以外の窓を付けるのは
あまり得策とは言えません。
特に、西側。
弊社の事例でも、西側に大きな窓を
取り付けるのは、きれいな山が見えたり
桜並木が見えたり、その地域特有の
良い景色が見えたりするパターン以外は
最低限の大きさに致します。
窓の設計は非常に奥が深いです。
伊礼智さんは窓をあまり大きく開けない
設計者さんになりますが、
野池さんという温熱研究の方と一緒に
設計された家は珍しく大きな開口が。
空間的に最も良い明るさを目指す伊礼さん、
温熱的に最もバランスの良い環境を目指す
野池さん、やっぱり何を重要視するかによって
窓の最適解は変わってくるんですね。
一定のレベルまで行ったとしたら、
後は、あなたの価値観に従って、
窓の設計をしていただければ大丈夫。
どうぞ、参考にしていただければと。
