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断熱材を捨てないでください

長く住める家

凰建設の森です。

本日は現場周りの日。

改修工事の断熱施工チェック。
そして換気空調の風量調整。
弊社初のzehnderです。

どうしても換気風量が、
出過ぎる傾向になり、
絞るのに苦労しました。

これ、夏の冷房シーズンは
もう一度各グリルの開度調整に
行くことになりそうな気がします。

初めての設備は慎重に慎重に。
夏冬を通して各種性能を
実測させていただき、
カタログスペックとの差が
どの程度の物かを把握したいと
思います。

さて、本日の話題は
午前中の断熱材の検査を
させていただいた改修現場から。

割と本格的な日本建築の家の
断熱改修になりますので
断熱を入れるのも大変です。
カットせずまともに入れられる
箇所が殆どありません。

軒デザインをなるべく守るために
付加断熱は単位厚み当たりの
熱伝導率が低いネオマを
使っていますのが、端材が
沢山出る事になります。

断熱材というのは性能部材。
料理で言うとハンバーグだね
みたいなものでして、
最後の最後まで、小さな
ハンバーグとして焼けば
美味しく食べられます。

断熱材はどんなに端材になっても、
適切に詰め込めばその性能を
発揮してくれるという事です。

現場に行くたびに、断熱材は
捨てないで使ってねと、
大工さんにお願いし続けて
来ましたが、本日の現場では
大工さんが天井断熱部分の
スペースに余ったネオマを
ぎっしり詰め込んで、
施工してくれていました。
↓     ↓
%url1%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2023/03/IMG_1131.jpg}

これ、人によっては、
ゴミを家の中に詰め込んでいる
と解釈されてしまっても
おかしくないかもしれません。

ただ、断熱材を丁寧に
詰め込んでいけばいくほど、
実質の熱移動は少なくなる。

計算数値には表れてきませんが
やればやるほど、高性能になる。

こういう事が出来る空間と言えば
床下空間か天井裏空間が殆ど。
壁の中や屋根断熱などは、
厚みが決まっていてなかなか
余りを詰め込む余白がありません。

とりわけ床下エアコンを採用する
基礎断熱の家というのは、
床下からの熱の逃げが最も
大きなものになります。

何故なら基礎内空間こそが
最も温度の高くなる場所なのに、
大抵基礎の立ち上がりの断熱は、
壁の断熱材の厚みよりも
薄く施工されるからです。

家の外が3℃室内が20℃で
床下空間が30℃だったとします。
熱の逃げる量は温度差に比例。
室内は17℃の温度差、
基礎内は27℃の温度差。

熱が逃げる量を同じにしたければ
基礎内断熱の量は外壁よりも
1.6倍ほど厚くなければ、
辻褄が合いません。
外壁が100mm断熱なら
基礎は160mm断熱。
みたいな感じですね。

だから、よく床下熱源暖房を
採用している家の熱画像を撮ると
基礎の立ち上がりが外壁よりも
熱が逃げている様子が分かったり。
↓     ↓
%url2%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2023/03/T00484VB-down.jpg}

だから、大工さんには、断熱材が
余ったら基礎の立ち上がりの
内側に全部張り付けてね。

とお願いをします。
勿論、設計値でしっかりと
性能が担保されていることは
大前提ですが、せっかく余るなら
コスパの良い部分に使ってほしい。

という事ですね。

そういう事を当たり前にやってくれる。
そういう社員大工さんが断熱工事を
やってくれているのが、実は
弊社の最も大きな強みです。

完璧な設計をしたとしても、
施工が追い付かなければ絵に描いた餅。

施工段階でどれだけ性能の低下を
食い止められるかというのが、
設計監理の腕だったりしますが、
弊社の場合は設計値よりも、
実際出来上がった現場の方が、
優れた性能になっていることが多い。

断熱材を捨てないでください。
断熱材を踏まないでください。
断熱材を大事に扱ってください。

ずっと口を酸っぱくして
言っておりましたが、
最近はもう殆ど現場で言う事は
ありません。

今日も、現場での指摘は、
耐力壁を屋根水平構面まで伸ばしてね。
という事と、気流止めをもう少し
ぴっちり施工しておこうか。
という、指摘というよりも、
これからの工程での注意事項の
確認だけになります。

お施主さんは断熱工事をきっちりと
やってほしいに決まっています。

しかし、世の中の大工さんの大多数は、
断熱がそんなに効く事を信じてない。
結果、施工がどんなものであろうと、
これでいいんだ、こんなもんだ。
と思ってしまいます。

そんなにきっちりやったって、
何も変わらないのに。
と思い込んでいるだけで、
悪意が無い事が多いんです。

断熱気密はここが難しい。
いくらお施主さんが断熱を
と言っても、設計者も管理者も
施工者も全員が断熱なんて
そんなに効果は無いでしょう?

と思い込んでいたら絶対に、
断熱材の性能を100%生かす
家なんてできっこないです。

設計者が断熱に目覚めても、
監督さんや大工さんが
否定的だったら同じです。

監督さんがやる気になっても、
大工さんが否定的だったら
やはり良い結果は出ません。

大工さんまでがしっかりと
断熱材をきちんと入れれば
入れるほど暖かくなるんだと
理解して工事に臨むことが、
どれほど高いハードルか。

手前味噌で大変恐縮ですが、
こうやって弊社の現場を
検査でチェックするたびに、
ああ、恵まれているなぁ。
設計者冥利に尽きるなぁ。
有難い施工体制だなぁ。

と思わざるを得ません。

高性能な家を建てる
第一歩は、断熱材を
慈しむ心を持つところから。

断熱材を捨てないで最後のかけらまで
家が暖かくなることに使ってくれる。

そんな建築会社や施工者さんが
もっと増えるといいなと思います。

#流行より普遍性 #長寿命住宅 #住宅を消費しない

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー