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除湿器使うのは失敗?

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は、色々と忙しい。
午前中はWEB会議。

昼からは次年度も
呼んでいただける
岐阜県立国際たくみアカデミーで
授業の打ち合わせを。

その後は講演会です。

家の事では無くて、
仕事全般の事で
私の話を聞きたいという
珍しい依頼がありました。

お役に立てるか分かりませんが
精一杯話してきたいと思います。

さて、本日の話題は質問箱
↓     ↓
%url1%{https://peing.net/ja/q/2e89e59e-ba08-4a72-ac0e-a4e956180a38/completed}

行間から何やら棘を感じますが、
果たしてこれはどういう事なのかを
解説していきたいと思います。

温度湿度の話は物理のお話。

計算や実測で答えは出ます。
それが成功なのか失敗なのか
という意見や解釈は人それぞれ。

春分の日からしばらく、日本列島は
雨天が続きました。

外気の絶対湿度も、
岐阜で12g/kg(DA)程度まで
上がったようです。

鹿児島の枕崎などでは、
15g/kg(DA)という夏並みの
高湿度も記録致しました。

外に12gの空気がある。
家の中にそのまま入れて、
加温したとします。
17℃98%の空気を
25℃まで温めると60%。

まあ、まあ。

しかし、空調換気は、
出入りだけではなく、
室内の湿度発生や、
熱交換換気による
湿度の回収も考慮する。

家に入ってくるのが
17℃98%の空気で、
150m3/hの換気量。
家の中で発生する水が
0.2L/hだったとします。

大体10kgの洗濯機で
洗ったものを室内に
干すとそのくらいの
水分発生量になります。

そうすると、25℃まで
室温を暖めると、家の中は
66%の湿度で安定します。
換気暖房負荷は約570W

岐阜地域の場合、3/24未明が
最も厳しい条件になったので、
その日のとあるお施主様の
温湿度データを見てみると、
まあ、大体計算通りの感じに
↓     ↓
%url2%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2023/03/52c7df74c682cff1757b1e108e454275.png}

UA値0.27、3種換気の家です。

換気量を200m3/hまで
上げると64.5%で安定。
負荷は710Wまで上昇。

ええい、窓を開けちゃえ
(換気量1000m3/h)
とやりますと、負荷は
3000W位に上がりますが
25℃61%程度まで湿度を
抑える事も出来ます。

これが第三種換気での話。
仮に熱交換換気が入っていた
場合にはどうなるか。

温度交換率70%
湿度交換率40%
という設備があった場合、
150m3/hの換気だと
本来捨てたい湿度を
回収してしまうので、
3種換気で25℃66%だった
室内が25℃70%まで
上昇してしまいます。

外の方が湿度が低く、
家の中の方が湿度が高い。
そして家の中の湿度を
下げたいという場合は、
熱交換なんかしないで
ダイレクトに換気を
してしまった方がいい。

熱交換換気を止めて、
窓を開けるとか、
レンジフードを回した方が
快適な温湿度になる。

みたいな事が起きる訳ですね。

基本的には外の方が
冷えている環境ですので
発生するのは暖房負荷。

冷房で除湿をやってしまうと
家が寒くなりすぎる。

むしろ家の中が少し暖まる、
再熱機能付きのエアコンや
除湿器を使った方が快適。

となるのは無理からぬこと。

ちなみにこれらの温湿度の
シミュレーションは、
住宅空調設計講座で使う
冷暖房負荷計算シートで
計算する事が可能です。
こんなのです。
↓     ↓
%url3%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2023/03/7ba8c43653080e51e2d80793f2a975c5.png}

講座を卒業された方なら
みんなこういう計算が
出来るようになっているはず。

今回の質問は、私が
住宅空調講座をなぜ
始めたのかという事に
繋がるいい質問でしたので、
これ幸いと取り上げましたが、
断熱気密を高めて、高価な
換気や空調を入れると、
「湿度コントロール」
という壁にぶつかるようになる。

これは等級4や5の家では
起こらなかった高性能住宅特有の
課題になってきます。

頑張って断熱気密をやってきた
実務者さんであればあるほど、
その壁にぶつかりますし、
現状、日本で住宅設計者が
湿度について腰を据えて学ぶ
機会というのが無いんですね。

これ、このままこの問題を
野放しにすると、
高性能住宅は中間期に空調を
失敗しやすいからダメ。

みたいな、重箱の隅を
つつくような指摘で
鬼の首を取ったような
事を言い始める人が出る。

だから、プロの皆さん、
慌てずに湿気の事を学んで、
中間期の雨天みたいな、
限定的なシチュエーションの
不具合にも対応できる
知識を身に着けておきましょう。

という気持ちで講座を始めました。

中間期に電力を使う事と、
夏冬の需要ピークに電力を
使う事を比べると、中間期は
遥かに発電所や系統に与える
負荷は少ないものです。

需要がピークになる時に、
沢山電力を使う低性能な家と
需要ピーク時には使用を抑えられ
需要に余力のある時に、
少し電力を使う高性能な家では
社会に対する負担は随分違います。

その違いが分からないようであれば、
余りにも木を見て森を見ず。

数日間、外気の絶対湿度が
高い日が続きましたが、
今の季節は基本的には乾燥注意報。
空気が乾燥するので消防団は
春の火災予防運動を
展開する時期になります。

花粉が気にならないようであれば、
外が乾燥したのを見計らって、
一度日中に窓開け換気をするといい。

数分の窓開け換気でも、家の湿度は
がくっと下がりますから。

また、梅雨を見据えると、
今のうちに、家の建材の中から
水分を抜いておけるといいです。

少し、家の中が乾燥気味かな
と思えるくらいの温湿度を
意識して梅雨入りまで
過ごしてみてください。

あと、いくら中間期で発電所は
余裕があるとは言っても、
エネルギーを無駄に使っても
良いという事にはなりません。

除湿器を使うのもいいと思いますが、
何が何でも50%台を目指すんだ。

みたいな感じじゃなくてもいいです。
1日や2日の事ですから、70%を
切る位の所を目指していただければ
それで良いかと思います。

そしてこれが一番大事なのですが、
こういう湿度の悩みが起きた時に、
依頼先はきちんと相談に乗れるか。

知識が身についていないと、こういう
問題について何も対処が出来ずに詰む。

そうなってしまっては折角の高性能な
家がもったいないですよね。

あなたの家で起こる様々な問題は
ケースバイケースですので、
解決方法も多種多様。

ぜひ、湿気の事も頼れる依頼先を
見つけていただければと思います。

断熱気密がしっかりしている家なら
そこで起こる物理現象はとても
コントロールしやすくなります。

弊社のお施主様には、除湿器は
必ずしもなくてもいいですよと
お伝えしておりますし、除湿器を
導入されている方はほぼいませんが、
除湿器を使えば、より湿度制御の
幅が広がり快適になります。

除湿器を使う事は別に失敗ではありません。
それも選択肢の一つくらいに
思っておくくらいで良いのではないでしょうか。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー