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孫世代は家なき子に。

温熱と住宅性能

凰建設の森です。

本日は社内仕事の日。
新規の間取り案を考える
一番楽しい設計の時間。

これはもう仕事じゃない。
何時間でもやってられる
趣味みたいなものです。

設計の時間を沢山取れると
凄く楽しい気持ちになる。

間取りの提示は来月ですが
今のうちから楽しみです。

さて、本日の話題は、
私たちの孫は住む家が無いかも
というお話になります。

そういう記事が出たんですね。
↓     ↓
%url1%{https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD0845F0Y3A101C2000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1705197069}

この家余りの時代に何を
馬鹿な事を。と思う人も
居るかもしれません。

確かに今は日本中に1000万戸
に迫る空き家が存在し、
例え災害などで住む場所を
失ってしまったとしても
日本全国には被災者を
受け入れられる十分な量の
空き家が存在しています。

今は。

しかし、今後新築は
価格高騰と職人不足により
建築数が激減していきます。

空き家の絶対数は増えるけど
それが、住める空き家なのか、
住んでも良い空き家なのか、
というのはまた別の話。

時間が経つほどに、住宅に
求められる耐震性や断熱性は
高まっていきます。

2023年現在の私たちは、
断熱等級が1~3で旧耐震基準の
家に住みたいとはあまり
思いません。色々危ないから。

でも、そういうレベルの
中古住宅を販売することを
禁止する法律がある訳じゃない。

だから買って住もうと思えば
住んだっていい訳です。

そしてここ5~6年で更に
住宅に求められる基本性能は
上がっていく事になります。

2050年の脱炭素に向けて
求められる省エネ性は
上がっていく一方の予定。

2050年時点で日本に存在する
家のうち、その時代を生きる
人の基準で住めると思える
家の総数は総世帯数を下回る
可能性があるんですね。

家の形をしたモノは全国各地に
存在するけどそれは決して
住める物ではなく、私たちの
孫世代は住む場所に困る事に。

2024年現在を生きる家づくり世代が
自分が建てた家は自分と一緒に
死んでいけばいい。子ども達に
家なんか残したって迷惑だ。

という意識でいるのであれば、
それはあまりにも社会を
捉える目が無いと言える。

その考え方こそ大迷惑。

そういう考え方しかできない人は
過去の事や自分の経験でしか、
何かを考える事の出来ない人、
帰納的な思考法しかできない。

過去はこうだった、現在はこう。
だから未来はこうなるという
演繹的に物事を考えられる
人であれば、孫世代が家なき子に
なるという話も、そうだよねと
頷く事が出来ると思う。

もう何年も同じ話をしてきたので
耳にタコだという人もいるかと
思いますが、やっぱり言わざるを得ない。

2024年現在において、
2030年に改正される法律にすら
適応できない家を建てる
つくり手や住まい手は、
もう家づくりをしないでほしい。

そういう人たちの行いが、
日本の未来をどんどん
貧しい物にしていきます。

2030年時点で最低限に
なるレベルの家はどうか。

それも、どうしても建てたい
建てなきゃいけないという
止むに止まれぬ理由が無いなら
家づくりは無理してやらなくても
良いと思います。

やっとの思いで建てた家を
2050年に向けて更に省エネ化
しないとダメだよって、
住宅ローンが残っている途中に
言われたってもうどうしようもない。

住宅ローンに縛られてなきゃ
まだ身の振り方は色々あった。
でも住宅ローンでガチガチの身で
更にお金がかかる事を言われても
なんとも身動きが取れない。

耐震等級3、断熱等級6、長期優良住宅。
その3つが揃っていないレベルの家を
今後建てたってあなたも社会も
豊かにならないんですね。

断熱等級6に満たない家で、
全館暖冷房なんてやってしまうと、
無断熱のアパートでリビングだけの
間欠暖冷房をしていた時よりも
沢山のエネルギーを使ってしまう。

ぶっちゃけ断熱等級6程度だと、
全館暖冷房をすると、そこら辺の
無断熱間欠暖冷房の家よりも
沢山エネルギーを使っちゃう。

HEMSなどを導入すると、
省エネ偏差値や順位みたいなのが
表示されるかと思いますが、
断熱等級6ギリギリで全館暖冷房だと
非常に低い偏差値や順位が出る。

省エネ住宅に住んだはずなのに、
あなたの暮らしは省エネじゃない
ってHEMSに言われてしまうんです。

隣近所に住んでいる、寒い家の
おじいちゃんおばあちゃんの方が
地球を痛めていないんだよって
突きつけられる。

日本全体の省エネは進んでるけど
家庭の暖冷房だけを抜き出すと、
大して進んでいないことが分かる
↓     ↓
%url2%{https://www.ohtori.net/wp/wp-content/uploads/2024/01/0d5d3b6e33c74e2aed647d76f71250b5.pdf}

断熱住宅を沢山作ったって、
そのキャパを上回る贅沢な
温湿度で過ごす人も増えたら
全体の省エネは進まない。

やっぱり住宅部門は、
日本の省エネの足を引っ張る
お荷物部門なんですね。

今後ますます風当たりが
強くなるのは容易に想像できる。

それぞれの地域における
断熱等級6なんて、もう
そんなに特別な技術が
必要なものではなくなった。

昔ほど大きな追加費用が
掛かる訳でもありません。

2031年以降にそれが
最低の断熱になる可能性は
割と高いと思う。

等級5が最低限のまま、
国民に全館暖房なんて
始められたら脱炭素なんて
夢のまた夢ですから。

孫たちが家なき子にならぬ為にも
私たち自身の為にも、
家を建てるなら
耐震等級3
断熱等級6
長期優良住宅
の3点セットは
必須だと思ってください。

こう言っておいて追記するのも
ちょっと憚られるのですが、
個人的には断熱等級6の家は、
寒いと思います。
ここ数年、UA値0.40より悪い
建物なんて設計してない。

今までも折に触れて
言ってきましたが、
6地域であれば、UA値
0.34位までは、予算の
全部を断熱に突っ込んだ方が良い。
余ったら、内外装や換気、空調、
外構等に使えばいいと思います。

四半世紀以上前に今でいうUA値0.87の
家を作って以来、ほぼシームレスに
性能を上げて色んな住宅性能の家を
作って検証してきた弊社の知見です。

自慢の内装も設備も、10年経てば
何も感じなくなりますが、
家が暖かいというのは何十年経っても
有難いなと感じる事が出来ますから。

ぜひ、参考にしていただければと。

#温熱は物理 #快適は設計でつくる #設備より建築

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この記事を書いた人

代表取締役 森亨介

森 亨介(こうすけ)

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国立岐阜工業高等専門学校建築学科卒業 建築環境工学を専攻する。
生涯コストが最も安くなる家を作る事を提唱し、普及に努めている。
凰建設株式会社代表取締役 一般社団法人ミライの住宅代表。
元パッシブハウスジャパン東海支部エリアリーダー